●内海 清美プロフィール

1.紙産業研究センターレポート
何もない山の中に巨大な施設が・・・「愛媛県紙産業研究センター」だ。想像していたよりもずっと規模が大きく、改めて「紙の町川之江」というものを実感した。館内にはいるとまず目に飛び込んできたのは、小学生たちが作った水引のオブジェ。想像力豊かなそれらの力作は、デジタル化された現代の生活の中で、ホッと心を癒してくれる。館内には研究設備だけではなく、紙文化に関するさまざまな展示コーナーや紙のオブジェがあり(吹き抜けにある巨大なオブジェには圧巻)、係員の方がコーナーごとにとても熱心に説明していただいく。なかでも内海先生の作品〜庶民の学校「綜藝種智院」〜は間近で見ると神秘的で、今にも動き出しそうな躍動感と強い生命力を感じ、しばらく見入ってしまう。きっとそこには『魂』が宿っているのだろう。
そしていよいよ会員による水引のワークショップが始まった。「案外簡単かも!」始める前はそう感じた。まずは1本の水引を手に取り『あわじ結び』に挑戦。職人さんたちが手順を丁寧に教えてくれる。七転八倒しながらもどうにかカタチにはなったが・・・う-ん・・・何かが違う・・・何だこの不細工さは・・・。何度も微調整をしながらカタチを整える僕を後目に、皆は次のステップ「2本」で挑戦している。ここで遅れてしまってはと思い、とりあえず1本は完成したふりをして後に続くが・・・「何じゃこりゃ!!!」。2本で結うとなると、上下の水引糸の前後関係を考えながら丁寧に結っていかなければ、絡まった糸くずと化し、綺麗なカタチにはならない。このあたりから皆が頭を抱えだし「・〜」だの「だぁ〜」だの言葉にならない苛立ちの声が聞こえてきた。記録係だった僕もデジカメなどという「お荷物」をそっちのけで全神経を指先に集中し、水引と格闘していった。しかし、器用な人は3本目に取りかかっている。その器用な人の一人に西郷さんがいた。こんなに真剣になっている姿は見た事がなかった。何がクールな西郷さんをここまで突き動かせてしまっているのか・・・。それはさておき、ひととおりの『あわじ結び』を完成させ、それから『鶴』と『亀』のカタチに整えて完成!!! 見事完成した人たちは、心地よい疲労と達成感に包まれて穏やかな顔になっていた。
今回の水引のワークショップを終え感じたことは、水引を『結う』ということの難しさ、奥の深さだった。いい加減で心が込もらず、適当に手先だけで作業すると水引同士が絡まって、取り返しのつかないものになってしまう。忍耐強く、心を込めて、楽みながら作業するといいカタチになるのだろう(多分)。何だか人と人との結びつきと似ているような・・・。水引の『結い』と、デザイン協会のテーマである『結い』。今回のワークショップのテーマとピッタリとはまった。今回あまりうまくいかなかった僕は『結い』という事が、まだまだ未熟なのだろう。きっと・・・。
(香川 雅博)

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